遡ること19年前。
Mr.Childrenは当時活動休止中であったのにも関わらず『ニシエヒガシエ』をリリースした。当初はMr.Childrenの名前を伏せ、"覆面バンド"として発表するつもりだったという。覆面バンドというと実はRADWIMPSにもある疑惑がかけられている。2014年にメジャーデビューを果たしたロックバンド、味噌汁'sがRADWIMPSの覆面バンドではないかという噂があちこちで飛び回っているのだ。つまり味噌汁'sとRADWIMPSが同一人物ではないかという事である。それはここ数年の話ではなく前々から味噌汁'sがRADWIMPSの覆面バンドなんじゃないか?という噂がファンの間で囁かれていた。因みに両者はこの説を否定している。 では一体何が真実なのだろう。 その謎に僕が9つの観点から徹底的に迫っていきたいと思う。


① 味噌汁's とは?

まず味噌汁'sについて軽く説明をしておこう。味噌汁'sとは2005年に味噌汁を愛してやまない4人で結成され、2014年にEMIミュージック・ジャパンからメジャーデビューを果たしたロックバンドである。メンバーはジョン次郎、ポール、マッカー、トニー。メンバーの名前からすると外人だと思われがちだが全員が生粋の日本人であり、明言はされてないが偽名を使っての活動だという事は言うまでもないだろう 。因みに本名不詳。そして味噌汁'sはジャーデビ ューを果たした同年 の5月にはシングルと1stアルバムをそれぞれリリースし話題となった。


② 味噌汁'sとRADWIMPSの交流関係について

味噌汁'sと交流関係がある事でまず名前が挙がるのがRADWIMPSである。05年に『25コ目の染色体』でメジャーデビューを果たし、その独特な死生観と圧倒的なサウンドでロックファンから絶大な支持を受けている。昨年にはアニメ映画『君の名は。』の劇伴を務め、年末には紅白歌合戦出場も果たし、世間にその名を轟かせた。

そんなRADWIMPSと味噌汁'sの交流が始まったのは2006年にリリースされたシングル『有心論』からである。このシングルのカップリングに収録されたのが味噌汁'sのデビュー曲にもあたる「ジェニファー山田さん」であった。醜い世界に生きる者の悲哀を独自の視点から紐解き、愛と平和をアイロニカルに包みながらさらりと歌い上げた名曲である。それだけでは終わらない。同年にRADWIMPSがリリースしたアルバム『RADWIMPS 4〜おかずのごはん〜』にも味噌汁'sの「夜泣き」という曲がシークレットトラックとして収録されている。これについては後ほど詳しく見ていきたい。

(ツアー『春巻き』にて軽快に踊る味噌汁's)

また味噌汁'sはRADWIMPSのライブにもゲストアクトとして参加している。2006年のツアー『ソナタと行く冬のツアー』では9mm parabellum bulletと共に。翌年に行われた『RADWIMPS TOUR 2007"春巻き"』『セプテンバーまだじゃん。』にも登場している。因みに当時のライブレポートを書いた某ミュージック誌の記者は味噌汁'sを"変名バンド"と扱い、ライブ演出はRADWIMPSの早着替えと評している。

このようにかなり盛んに対バンをしていた味噌汁'sとRADWIMPS。しかし『セプテンバーまだじゃん。』を最後に交流は途絶える事となる。明確な原因は不明であるが完全に関係が途切れた訳ではなかったようだ。その6年後の2013年にRADWIMPSが宮城で行った野外ワンマンライブ『青とメメメ』にて味噌汁'sがゲストアクトとして登場したのだ。

(『青とメメメ』にゲスト出演した味噌汁's)

『青とメメメ』のアンコールで登場した味噌汁'sは自身の代表曲である「ジェニファー山田さん」と7年ぶりの新曲「にっぽんぽん」を初披露し会場を沸かせた。その後アンコールで登場したRADWIMPSは味噌汁'sの新曲披露に呼応するように当時未発表曲だった新曲「ラストバージン」を披露するのだがそれはまた別の話。

その年にRADWIMPSがリリースしたシングル『五月の蝿/ラストバージン』のカップリングには味噌汁'sの新曲「にっぽんぽん」が収録されている。RADWIMPSと味噌汁'sの楽曲が同じCDに収録されたのは『おかずのごはん』から7年ぶりの事であった。2014年に味噌汁'sのメジャーデビューが決まった時に野田洋次郎はジョン次郎にバンド名を変更する事を勧めたそうだが、説得も虚しく味噌汁'sのままデビューしたと言うエピソードが残っていて、両者の交流は続いてると見て問題ないだろう。


③ 味噌汁'sとRADWIMPSの不仲説を検証

味噌汁'sとRADWIMPSが同一人物と言われている一方で両者の不仲説が飛び交っている。バンドマンにとって「〇〇に似ている」と言われるのは決して気持ちいものではないだろう。それなら未だしも「〇〇と△△って同一人物なんでしょ」と言われるのは心外でしかないだろう。そんな噂が立ってしまっては両バンドの関係は気まずくなり不仲説が囁かれるのも当然と言えよう。では実際に味噌汁'sとRADWIMPSはお互いをどう思っているのだろうか。過去の数々のデータ、彼らの発言からお互いの印象をまとめてみたいと思う。


・RADWIMPSの味噌汁'sへの評価
絶対コイツら(味噌汁's)カッコいいよと思って対バンしたんだよね。もう世間のみんな見てくれよって気持ちで」(野田)
僕らもアルバム聴かせて貰ったんですけど勢いがあってね、本当僕らに無い物を沢山持ってるバンドだなってつくづく思いました」(野田)
とても良いアルバムでした」(武田)


味噌汁'sの1stアルバム『ME SO SHE LOOSE』をRADWIMPSはかなり高評価しているのが分かる。また味噌汁'sのデビューにRADWIMPSの野田洋次郎はコメントを発表。そこでは味噌汁'sが盟友であり良きライバルであると書かれていて強い信頼で結ばれているのが分かる。またそんな味噌汁'sへの情の深さはRADWIMPSのレコーディング風景からも伺える。

(サントラAl『君の名は。』初回特典映像にて「夢灯籠」製作時のスタジオ風景)

『君の名は。』の劇伴作業に打ち込むRADWIMPSメンバーだが、桑原氏が着用しているTシャツに注目して頂きたい。味噌汁'sのアルバム名が大きく印刷された『ME SO SHE LOOSE』Tシャツである。ただ桑原氏はカメラがスタジオに入ると服装を意識して変えてくる性格なので単にカメラを意識した演出かもしれない。まだある。

(RADWIMPS公式Twitterより。8/26 Mステ出演後の桑原氏によるツイート)

RADWIMPSが地上波初登場を果たしたMステ終了後のRADWIMPSの公式Twitterでの桑原氏の投稿である。注目して欲しいのはMステティッシュではなく、左に写った赤と黒の捻れたタオルである。これは恐らくだが味噌汁'sのグッズである可能性が非常に高い。このようにRADWIMPSメンバー(特に桑原氏)は日常的に味噌汁's関連のグッズを使うほど好んでいるのがよく分かるだろう。


・味噌汁'sのRADWIMPSへの評価
彼ら(RADWIMPS)の話はちょっと嫌気がさすよね。常に抱き合わせて考えられるのが正直癪で、まぁ確かに最初はたまたま対バンしたりしてたけど(中略)うちらが彼らの前座みたいな位置にいるのが本当に許せないっていうかちょっと心外だよね。僕らはもっと先を行ってるもっともっと先を行ってる」(ジョン)
(RADは)いけ好かない。(中略)いつも比べられるから鼻に付く」(ポール)


RADWIMPSが味噌汁'sに対して好意を向けていたのと対照に、味噌汁'sはRADWIMPSの存在を快く思ってないようだ。両者は不仲と言うよりも味噌汁'sが一方的にRADWIMPSを嫌ってるだけなのである。メジャーデビュー前はRADWIMPSに媚びを売り、メジャーデビューした途端に手のひらを返してRADWIMPSを見下しているようにも見えるがジョン次郎の「先を行ってる」発言はそこまで的外れでもないのだ。


 RADWIMPSの『君の名は。』以前からアニメを見据えていた味噌汁's
2016年に映画『君の名は。』が公開され、その映画の劇伴を担当したRADWIMPSが大きな注目を浴びた。劇中の音楽を全てRADWIMPSが制作するという前代未聞の試みによって新海誠監督の描く美しい世界観とRADWIMPSの洗練された音楽が秒単位で調和し、公開から半年経った現在でも世界中を感動の渦に巻き込んでいる。

だがそんなRADWIMPSより2年も前に味噌汁'sはテレビアニメに楽曲を提供していた。そう思うと先述したジョン次郎の「先を行ってる」発言が的外れではない事に気付く。確かにジョン次郎は野田洋次郎よりいち早くアニメという舞台の可能性を感じていたのかもしれない。2014年からテレビ東京で放送された『マジンボーン』。主人公・竜神翔悟が「ボーンカード」の力によって「ボーンファイター」となり、地球を守るため、謎の敵「ダークファイター」と戦う物語である。 このアニメのエンディング曲に味噌汁'sの「OKAN GOMEN」が起用された。 因みにこのアニメとこの楽曲は笑えるほど合っていない。


⑤ 味噌汁'sとRADWIMPSを結び付ける疑惑の2曲

味噌汁'sがRADWIMPSの覆面バンドではないかという噂が囁かれる理由として「容姿がそっくり」というものが挙げられるがその理論で言うと遠藤要とエハラマサヒロにも同一人物説が浮上してしまうので、僕は楽曲から紐解いて行きたいと思う。

まずは「夜泣き」という曲。先ほども書いたがRADWIMPSのアルバム『おかずのごはん』のシークレットトラックとして収録された楽曲である。ここで疑問が生じる。「夜泣き」は味噌汁'sの楽曲ではないのか?この楽曲は『おかずのごはん』レコーディングの最後の最後に野田洋次郎の急な考案により制作された楽曲である。この楽曲を入れた理由は「このままだと(アルバムが)マジメすぎるんじゃないかと思ったから」 。そこからの経緯はよく分からないが「夜泣き」はRADWIMPSが制作し、味噌汁'sへ楽曲提供した曲という事で良いのだろうか。これに関してはいくら考えても腑に落ちない部分ではある。

そして「にっぽんぽん」という曲。これはアルバムに収録されたものではなく、RADWIMPSのシングル『五月の蝿/ラストバージン』のカップリングとして収録されたものに限る。この曲でついに味噌汁'sからボロが出たようにも思えるのだ。曲の冒頭にジョン次郎のこんな台詞が入る。「6年ぶりの味噌汁's〜!ここに登場〜!6年間何をしてたかと言うと〜!タケダァ〜」その呼びかけに対し何故かトニーが「ご飯食べてましたーー!……ぇぁっ」と語尾を濁した発言をするのだ。そこから「ソースより〜醤油だろ〜♪」と歌が始まるわけだが、このセリフは簡単に流せるものではない。もしも味噌汁'sがRADWIMPSによる覆面バンドなのだとしたらRADWIMPSは大失態をした事になる。まずジョン次郎。本来は「トニー」と呼びかけるべき部分を「タケダ」と言う。この「タケダ」とはRADWIMPSメンバーである武田祐介の事である可能性が非常に高い。また「タケダ〜」の呼びかけに対してトニーが「ご飯食べてました!」と発言するのもおかしな話である。なぜ別人の名前を言われて元気に返事をしたのか。"トニー=武田祐介"と考えるのが最も合理的であろう。そして語尾を濁らせている事から動揺している様子が伺える。因みにジョンの「6年ぶり」と言うのは「7年ぶり」の間違い(ジョン本人がアウトロ後に訂正)。そこの詰めの甘さは"味噌汁's=RADWIMPS"の裏付けになるのではないだろうか。


⑥ 桑原彰とポール ギター兼用疑惑について
(左 : 2015年『RADWIMPSの胎盤』の楽屋にて音合せをする桑原氏。右: 2014年『第1回全国お味噌汁の会』に出たポール

上の写真を見て貰ったら分かると思うが、桑原氏の使っているギターとポールが使っているギターは同一である可能性がかなり高い。ボディに貼られた『味』のシールの位置といい角度といいそっくりである。と言う事は桑原氏とポールはギターを兼用しているという事か。ただRADWIMPSの事を「鼻に付く」と一蹴したポールがそう簡単に桑原氏にギターを貸すだろうか。ただこれまでRADWIMPSのおかげでライブやCDレコーディングを経験していたポールとしてはRADWIMPSのメンバーである桑原氏に恩を感じている部分が必ずあるはずだ。無論これで味噌汁'sがRADWIMPSの覆面バンドだった場合は兼用も何もないのだが。


⑦ RADWIMPSに対するアンチテーゼか?疑惑の帽子『me me me』
2014年に味噌汁'sがインタビューに受け答えをしていた時にジョン次郎は『me me me』とデザインされた帽子を被っていた。『自分 自分 自分』という己を突き通す味噌汁'sの姿勢を思えば何も不思議ではないが、彼らがRADWIMPSの覆面バンドかもしれないと思うと訳が変わってくる。まずこの『me me me』という文字をローマ字読みした場合『メメメ』と読む事ができる。このインタビューの前年にはRADWIMPSのワンマンライブ『青とメメメ』にゲストアクトとして登場した彼等。それを意識した可能性も考えられる。後はRADWIMPSの楽曲「me me she」へのアンチテーゼとも解釈できるだろう。「me me she」のタイトルには彼女より自分の事を「僕 僕 : 彼女 ( 2 : 1 )」という比率で優先してしまった女々しい男の感情を落とし込んでいるという逸話があるが、ジョン次郎が被っている帽子の『me me me』には只管に自分という強いエゴのみが存在し、そこには彼女のカケラすらない。そうRADWIMPSへのアンチテーゼともとれるのだ。この帽子の意図は不明だが何か深い意味があるに違いない。

⑧ 味噌汁's ≠ RADWIMPSの決定的な証拠は『生春巻き』にあり
(映像作品『生春巻き』より。味噌汁'sのステージを超つまらないそうに眺めるRAD)

RADWIMPSが2007年に行った『春巻き』ツアーの様子をDVDに収めたライブ映像作品『生春巻き』。このツアーには味噌汁'sがゲストアクトとして登場しているが、この『生春巻き』では面白い細工がされていて味噌汁'sのワンマンツアーにRADWIMPSがゲストアクトで登場したという設定になっているのだ。味噌汁'sが「ジェニファー山田さん」を演奏し会場を沸かせている様子を会場の後方から無表情で眺めるRADWIMPSメンバー。RADWIMPSが味噌汁'sを客観的に観ることは(彼等が同一人物だった場合)物理的に不可能であり、身体が2つ存在しなくてはいけないため必然的に味噌汁's ≠ RADWIMPS を決定づける事になる。


⑨映像作品『MISO TV & SONGS』にRADWIMPSワード?
2015年に味噌汁'sが発売したCD & DVD作品『MISO TV & SONGS』。そのDVDを観てみるとRADWIMPSを連想させるワードがいつくか見られる。味噌汁'sが2014年に出演した『氣志團万博』のライブ映像がテレビ番組のような編集をされているのが特徴である今作。その番組名が気になって仕方がない。『ジェニファー山田さん VS 宇宙怪獣メメメ』の宇宙怪獣メメメとは明らかにRADWIMPSの野外ワンマンライブ『青とメメメ』からの引用だろう。そして『ジョン&ヨージローの週間天気予報』に関しては包み隠さず固有名詞である。何故ここにRADWIMPSのボーカルの名前が登場するのかは分からないが、その映像作品にはRADWIMPSの要素が散りばめられているのだ。インタビューで「RADWIMPSと比べて欲しくない」と言っていた強気な味噌汁'sだが、こんな編集をされてしまっては「比べて下さい」と言ってるようなものである。



結論と考察
味噌汁'sはRADWIMPSの覆面バンドである可能性が極めて高いが断言する事はできない。

容姿が似ている。声も演奏も似ている。味噌汁'sとRADWIMPSはファンから見てもライト層から見ても瓜二つと言われるであろう。RADWIMPSが鼻眼鏡を付けて変装し「味噌汁's」と名乗り活動している可能性が高いのは事実だがそれを僕が断言する事はできない。両バンドのフロントマンが頑なに否定しているのだからそれ以上もそれ以下もないのである。野田洋次郎氏によるとRADWIMPSと味噌汁'sは切磋琢磨しお互いを高め合った仲らしい。そう言った関係性で現在のRADWIMPSの開花があるのならそれは大変嬉しい事である。信じるか信じないかはあなた次第でs…(やまだ)




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