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こんちには、山田です。
Mr.Childrenがメジャーデビュー25周年を迎えるにあたり自分に何ができるのかずっと考えてました。無論、僕は単なるファンですので大層な事はできません。色々と考えた結果「そうだ!自分にはブログがあるじゃないか」と思い、さっそく書こうとしたのですが「一体何を書けばいいのだろう」と途方に暮れる始末。自分が「Mr.Childrenとは?」なんていう哲学的なブログを書いた所で誰も読んではくれませんし、僕自身書ける自信がありません。悩みまくった結果「Mr.Childrenの好きな曲でランキングを組んで紹介しよう!」と思い付いたのです。発想が低レベルなのは自覚しております。でもほらMr.Childrenも「探してたものは こんなシンプルなもんだったんだ」と歌ってますし……。楽曲に順位を付けるなんて失礼なのは承知しております。ただこれならアニバーサリーっぽいし、他人と被る心配が無いと思ったのです。

25周年という事でランキングは1位〜25位にしました。さっそくルンルン気分で選曲をした所、なんと選んだ楽曲が約100曲。流石に企画倒れを覚悟しました。数あるMr.Childrenの楽曲ですが捨て曲の無さを痛感。土下座しながら半泣きでそれらを4分の1まで絞り(個人的な)極上の25曲を選び抜きました。では、どうぞ!




第25位  優しい歌






2001年にリリースされた20thシングル「優しい歌」。Mr.Childrenを語る上で絶対に外せない楽曲。何故、外せないのか。それはこのシングルがリリースされたタイミングに意味があります。このシングルがリリースされたのは絶対に出さないと言っていたベスト盤をついに出した翌月です。つまりこの楽曲は新たなるMr.Childrenの提示でもあったのです。この楽曲の中では『魂の歌』『後悔の歌』『優しい歌』という3つの歌が登場しています。この3つの歌は彼らの楽曲自体に向けられた物と考えるのが妥当かもしれません。「100万枚売れる曲を作る」そんな決意で曲作りに励んでいた魂の歌。目指してた物と手にした物のギャップに苦しみ続けた後悔の歌。そして自分たちのこれからを体現する優しい歌。《後悔の歌 /  甘えていた / 鏡の中の男に今復讐を誓う》鏡の男が誰なのかは想像でしかないのですが、恐らく桜井さん自身でしょう。深海からの脱出を試みてきた桜井さんがようやく自分自身と対峙できた曲なのかなと思ってます。


第24位  クラスメイト








1994年にリリースされた4thアルバム『Atomic Heart』の収録楽曲です。このアルバムは商業的にも大ヒットして累計売上が343.0万枚。売れすぎです。恋愛路線で歌ってきたMr.Childrenですが、ここから社会的な方向へ傾いて行きます。そんな『Atomic Heart』の中で唯一これまでのMr.Childrenの残り香を感じられるのがこの「クラスメイト」。ミディアムテンポで韻の踏み方も心地いい。それに加えてこのアンニュイな歌声ですからアルバムの中では良い意味で浮いてる印象です。《 3ヵ月前の再会から / 思ってもない様な急展開》かつて想いを寄せていたクラスメイトと偶然再会をして、相手には男がいるにも関わらず男女の関係になってしまった男の哀愁が実に切なく歌われています。 

第23位  未来
2005年にリリースされた27thシングル『四次元 Four Dimensions』の収録楽曲です。Mr.Childrenらしいポップ・ロックサウンドが本当に清々しいです。生まれたての僕らの前に広がる果てしない未来と現在僕の前に横たわる先の知れた未来。このサビでの二項対立が絶妙。前者の一人称が僕らで後者が僕なのは劣等感の表れなのかも知れません。そんな風に未来に対してネガティヴだった主人公が楽曲を通じて最後には《先の知れた未来を変えてみせる》と自らの胸に刻み込むほど未来に対してポジティブに。こういう心情変化の描写が明確な楽曲は個人的に好きですねえ。


第22位  BLUE




1992年にリリースされた2ndアルバム『Kind of Love』の収録楽曲。槇原敬之さんを彷彿とさせられるような情緒が漂う1曲です。初期のMr.Childrenは特にラブソングの名手ですから、存分にその力が発揮されています。爽やかであり切ない心情描写。まさか同じ人間が4年後に「男女問題はいつも面倒だ!」と吐き捨てる事になるとは……。また「BLUE」で多用された打ち込みサウンド。これはやはりコバタケのプロデュースが大きいでしょう。打ち込みサウンドと生音が実に心地よく交わり合うのです。


第21位  靴ひも
2005年にリリースされた12thアルバム『 U』の収録楽曲。よく『深海』以来の問題作と評されるこのアルバムですが、その中でも非常に聴きやすいラブソングに仕上がってると思います。靴ひもも結ばずに駆け出して、一秒でも早く君に逢いたい。そんな純粋な想いに衝き動かされる主人公。そしてこれは個人的な評価なのですが、この曲は最後まで描かれないから良い。君に会うためにバスに乗り込んだ主人公ですが渋滞でバスは停車。一刻も早く君に会いたい主人公はバスから飛び降り全力疾走。《 あぁ 一秒でも早く君の待つ場所へ / あぁ 一瞬でも早く君の待つ場所へ》ここで曲は終わります。もしこれが何とか君に会えるという結末まで描写されていたら僕がここまでこの曲に惹かれる事は無かったかもしれません。この曲で描かれているのはあくまで彼女に会いたいと焦がれる男の心情。それ以上もそれ以下もない物語だからこそ惹かれるものがあります。恋愛に於けるそんな衝動を、 靴ひもに焦点を当てながら描写するそのセンスに途轍もないサクライズム を僕は感じてしまうのです。


第20位  天頂バス 







2004年にリリースされた11thアルバム『シフクノオト』の収録楽曲。タイトルの「天頂」ですがこれには「店長」や「転調」といった意味合いも含まれています。イントロをよーく聴いてみると「へい、いらっしゃいっ」なんて声が聞こえますよね(笑)そしてこの楽曲の醍醐味は何度も繰り返される転調。演奏が徐々に興奮のボルテージを上げて行き、それに相応して桜井さんのボーカルも凄まじさを増していく。それがピークに達したサビでの爆発は爽快そのもの。『シフクノオト』のCMではこの曲の「イエェェェェェェェイ」に合わせて桜井さんがペンキに腹からダイブしていますが、撮影中に肋骨を折ったとか(笑)

第19位  足音〜Be Strong
足音 ~Be Strong
2014年にリリースされた35thシングル。CDという形でのリリースは何と前作から2年半というかなりご無沙汰で御座いました。まず重要なのがこの楽曲がMr.Children史上初のセルフプロデュースになっていると言うこと。長年Mr.Childrenをプロデュースしてきたコバタケがいません。"Be String"という力強い決意のようなサブタイトルが付けられた「足音」は音楽の喜びに溢れた素晴らしい楽曲に仕上がっています。《 新しい靴を履いた日は それだけで世界が違って見えた》《舗装された道を選んで歩いていくだけ そんな日々だけど もうやめたいんだ》コバタケのプロデュースから離れた背景を思うと、意味合いがかなり変わって来ますよね。これからのMr.Children像を体現して見せたこの楽曲を19位とさせて頂きます。


第18位  Everything is made from a dream 
Q
2000年にリリースされた9thアルバム『Q』の収録楽曲。マーチを基調としたサウンドで曲が進行していく如何にも『Q』だからこそ作られた曲。このアルバムではダーツの得点でテンポを決めている楽曲が多いのですが、この曲もダーツの得点でテンポが決まったという。タイトルの直訳は『全てのものは夢から作られる』とかでしょうか。Mr.Childrenの楽曲で「」という単語は頻出ですが、それはあくまで抽象的な存在でした。しかし今作ではその「夢」を根本的な部分から見つめ直し、哲学的に落とし込んでいくというかなり異彩を放った楽曲なのです。「夢」という存在はそれだけで煌びやかだし、人を前向きにさせてくれる。生きる活力にもなる。でも約70年前に何十万という人々を街並みを営みを生活を幸せを未来を一瞬で破壊したあの"核兵器 "の始まりが何処かの科学者が抱いた純粋で小さな「夢」から作られていたのだとしたら……果たして「夢」は一概に讃美すべきものなのだろうか。「夢」の本質は美しさなのか、それとも愚かさなのか……。


第17位  and I love you
四次元 Four Dimensions
2005年にリリースされた27thシングル『四次元 Four Dimensions』の収録楽曲。この楽曲が発表された2005年、僕は小学生だったのですが一瞬で心を奪われた記憶があります。普遍的に刻まれるアコースティックギターのイントロからの澄み渡る桜井さんの声。徐々にバンドサウンドへと変わって行くサウンド。タイトルに"and "が付いているのは桜井さん曰く「"I love you "じゃ尾崎に勝てないから」(笑)そんな事を言いつつも桜井さんがこの楽曲を30分で作り上げたというのだから笑うしかありません。『シフクノオト』に収録されている「タガタメ」の核心部分をシンプルにしたらこの「and I love you」になるらしいのですが、それはつまり最終的な着地点はという事なのでしょうか。余談ですが2015年に行われたツアーでこの曲と「タガタメ」が続けて演奏された時は身震いしました。

第16位  
あんまり覚えてないや
HOME(通常盤)








2007年にリリースされた13thアルバム『HOME』収録楽曲。タイトルが不思議な感じなのですが泣ける名曲としてイチ押ししたい所です。あのコバタケも泣いたとか。タイトルでは「あんまり覚えてないや」と言っていますが、この曲が伝えたいのは「ちゃんと覚えているんだ」ということ。口では説明し難いというか、これは是非とも聴いて欲しい楽曲なので詳しい解説は控えておきます。 
昨年の出来事どころか先週の記憶でさえ抜け落ちている今日この頃。そんな僕でも決して忘れる事ができない記憶が確かにあります。それは何年も前に亡くなった祖父との記憶でもあり、親に連れられて行った満開の桜で彩られた小学校の入学式の記憶でもある。忘却を繰り返す人生の中でも忘れられない事ってありますよね?誰もが抱えるそんな思い出の尊さに気づかさせてくれる名曲です。


第15位  Prelude








2010年にリリースされた16thアルバム『SENSE』の収録楽曲。prelude(=前奏曲)と言いながらこの楽曲が収録されているのはアルバムラストの直前。そしてこれと似た現象が歌詞の最初にも。《日が暮れる 今日はどんな一日だった?》楽曲の時間帯は夕方〜夜と察しがつきます。つまり"終わりは始まり"のような作用が働いているとしか思えません。日没は1日の終わりを告げるけど、同時に新しい1日の序章でもある。その概念をこのアルバムにも引用すると、アルバムの終盤に「Prelude」が来る事で、次に来る新しい何かの存在を感じる事ができるのです。ではMr.Childrenにとっての前奏曲って何なのでしょうか。それは過去の楽曲達と考えられます。根拠無しに言っているのでは無く面白いくらい「Prelude」の歌詞にはMr.Childrenの過去の楽曲の片鱗が散りばめられています。似たような情景の歌詞が入れてあったり、そのまま楽曲名が入れてあったりと、桜井さんの遊び心が伺えますねえ。個人的には《長いこと続いてた自分探しの旅もこの辺で終わりにしようか》という歌詞が悶えるほど好きでして、これは1998年から続いていた終わりなき旅の終幕でもあるのです。ここの対比が何とも歯痒い所。過去の楽曲を前奏曲と一括りにして、これからが本番と言わんばかりの熱量です。末恐ろしい……。


第14位  Image







1999年にリリースされた7thアルバム『DISCOVERY』の収録楽曲。アコースティックギターのアルペジオからゆったり始まるバラードと思いきや、徐々にストリングスが挿入され、最終的にはオーケストラとバンドサウンドが一体になるという壮大なロック・バラードです。「終わりなき旅」や「Simple」そして「Image」をアルバムで聴いた時に深海に沈み込んでいたMr.Childrenが脱出の糸口を発見できた気がしました。《 楽しく生きて行くImageを膨らませて暮らそうよ》前向きに前向きにイメージを繰り返す事で、安らげる場所へ辿り着く事ができるかもしれない。このアルバムは完全なる深海からの脱出ではなく、あくまで脱出の糸口を発見した作品。僕の中ではそういう位置付けです。


第13位  シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜






1995年にリリースされた9thシングル。ノンタイアップの癖に抜群の知名度、そしてこのキャッチーさ。一発聴けば耳に残る名曲とはこういう物を言うんですねえ。「ミスチルと言えばコレ!!」なんて人も少なくはないでしょう。ちびっ子時代の僕もMr.Childrenと言ったらこの曲だと思ってましたし、意味も分からず《恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲーム》なんて口ずさんでました。同年に行われたスタジアムライブ『Mr.Children STADIUM TOUR -Hounen Mansaku- 夏祭り1995 空[ku:]』での盛り上げ曲として制作された楽曲なのですが、ライブでの演奏は極めて稀で2007年のツアーで演奏されたのは実に10年ぶりの事だったのです。ジャケットのお猿さんには「映画も一件落着して 新たな気持ちでリスタート、猿の気持ちでリスタート」という想いが込められているみたいです。しかしその想いに反してこの作品を境にMr.Childrenの歌詞は内向的に内省的に傾いて行きます。そこに【es】の存在をは欠かせないのですが、それはまた後ほど。


第12位  擬態








2010年にリリースされた16thアルバム『SENSE』の収録楽曲。
 このアルバムのリード曲であり、 歌詞にも"センス"というフレーズが使われています。元々Salyuさんへ提供する予定で作られた曲らしいのですが、あまりに出来が良かったので提供するにはもったい無いと考え自分たちの曲にしたらしいです(笑)因みにSalyuさんには「青空」という楽曲を提供していて、これも十分すぎるほどの良曲なので良かったら聴いてみて下さい。曲調はアップテンポでコバタケのキーボードが煌びやかなポップ・ロックナンバー。ミスチル屈指の名イントロと謳いたいレベルです。そんなポップな曲調に反して歌詞はかなりナイーブです。現代社会で揉まれ苦悩を繰り返す僕たち。この曲の主人公も物事の本質が霞む現代に翻弄されながら生きています。真実とは目で見えてるもの?それとも耳で聞こえてるもの?表面上だけ見ていても何も解決しません。本当に大切なものは目には見えないかもしれない、耳では聞こえないかもしれない。だからこそ擬態した物の本質を僕たちはどこかを使って見抜いていくしかなさそうです。


第11位  くるみ 
2003年にリリースされた25thシングル『掌/くるみ』の収録楽曲。タイトルは"これから来る未来"を「くるみ」という人物に擬人化したもので、切ないラブソングにも捉えられるのはそのせいです。これから来る得体の知れない未来と消えることのない過去。その狭間で葛藤する人間の心情を実に感動的に描き出しています。《どこかで掛け違えてきて / 気が付けば一つ余ったボタン》誰にでもあるような日常の一コマをさり気なく歌詞に盛り込むセンスは抜群ですよね。《引き返しちゃいけないよね / 進もう 君のいない道の上》最後の歌詞からは過去にしがみ付いてた自分との決別と、未来へ向け歩き出す決意のようなものが伺えます。そして擬人化された「くるみ」という女性への未練を断ち切ったようにも受け取れます。そして忘れてはいけないのがMusic Video。『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS』で2つの賞を受賞し、メンバーも最も好きなMVと公言しています。僕もまたそのMVに感銘を受けた1人なのです。

第10位  
【es】〜Thema of es〜
1995年にリリースされた8thシングル曲です。ドキュメンタリー映画【es】 Mr.Children in FILM 』の主題歌です。桜井さんが「人生での最高傑作」と言い張っているほど思い入れが強いみたいです。『es』とは心理学用語で人間の「自我」を突き動かす衝動のこと。「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」でエゴとエゴをシーソーゲームさせていたのも『es』。「everybody goes〜秩序のない現代にドロップキック〜」でヤンチャをする登場人物達を突き動かしているのもまた『es』。因みに「 everybody goes…」のシングルジャケットとMVには『es君』というマスコットキャラクターまで。そして桜井さんを深海へと誘うのもまた『es』……。この『es』の呪縛から解放されるまで、桜井さんは自らの心の深海へとただただ潜り込んで行ってしまうのです。


第9位  Worlds end
2005年にリリースされた12thアルバム『 U』の収録楽曲。桜井さんお気に入りの楽曲でライブでもよく演奏されてます。イントロから力強いバンドサウンドで一気に惹き込まれます。ストロングなヴォーカルも圧巻。日本語訳で「世界の終わり」なんていうタイトルですから、絶望の淵で発狂してる歌かと思いきや、そんな事はありません。《 何に縛られるでもなく / 僕らはどこへでも行ける》世界の終わりという限界を感じさせるワードをタイトルに置く一方で歌われるのは果てしない開放感。この楽曲に登場する僕なら君となら本当に何処までも行けそう。心からそう思わせてくれる楽曲です。


第8位  深海
1996年にリリースされた5thアルバム『深海』の収録楽曲です。『深海』というこのコンセプトアルバムで大きな核となっているのがシーラカンスの存在。桜井さんの心の深海へダイブした僕らが最初に出会うのがこのシーラカンス。病的なまでに繊細、そして内省的な言葉で桜井さんはひたすらシーラカンスに尋ね続ける。《シーラカンス /  君はまだ深い海の底で静かに生きてるの?》。それだけでは終わらずアルバムが進むほど深海は暗さを増していきます。「ゆりかごのある丘から」でもシーラカンスの魚影が見え隠れする不気味さ。アルバムの最後にまた桜井さんはシーラカンスに尋ねるのです。《シーラカンス /  これから君は何処へ進化むんだい》桜井さんはシーラカンスに自分を重ね合わせていたのかもしれません。自分を待ち受けるのは進化なのか、退化なのか。そんな輪郭を持たない不安から逃げるように《連れてってくれないか / 連れ戻してくれないか》とシーラカンスに叫びながら深海は終焉するのですが……かなり救いのない曲ではあります。進化と退化。過去と未来。生と死。マジョリティとマイノリティ。その狭間で苦しむ不安定な精神状態が露呈しているのがこの『深海』というアルバム。その中でもアルバムの象徴とも言える迷いの歌を8位とさせて頂きます。


第7位  ALIVE
1997年にリリースされた6thアルバム『BOLERO』の収録楽曲。活動休止期間に入る直前のアルバムでございます。これに関しては以前執筆した『BOLERO』に関するブログを読んで下さると嬉しいのですが(ちゃっかり宣伝)。前作『深海』の核が"シーラカンス"だとしたら『BOLERO』の核は"ALIVE"。打ち込みサウンドが暗澹なメランコリー引き立たせ、絶妙なバランスで昇華されているというミスチル屈指の傑作です。《夢はなくとも / 希望はなくとも / 目の前の遥かな道を /  やがて荒野に花は咲くだろう》夢も希望も無い、それでも何とか生きていればいつかは道が開けるかも知れない。人生をただ悲観するだけではなく、微かな光を求めて進もうとしてる姿は当時のMr.Childrenそのものだったような。


第6位  ロードムービー
2000年にリリースされた9thアルバム『Q』の収録楽曲。これに関しては何で好きかと訊かれましても説明し難いのが正直な所。『Q』と言いますとダーツの合計点でテンポを決めたり、くじ引きでコード進行を決めるというかなり遊び心の溢れた癖の強い楽曲が多いアルバムですので、この「ロードムービー」は『Q』のバランスを取るための中和剤のような役割を果たしている気がします。桜井さん曰くイメージは湘南の江ノ島〜鎌倉辺りの134号沿いの風景。楽曲から漂う旅情が本当に心地良く響くのです。楽曲中で映り出される様々なシーンを頭の中を巡ります。余談ですが、サザンオールスターズの代表曲「希望の轍」の舞台も「ロードムービー」と同様の国道134号沿いですのでセットで聴いてみては。


第5位  
Tomorrow never knows
1994年にリリースされた6thシングル楽曲。言わずとも知れた名曲中の名曲ですね。累計売上は約276.6万枚を記録して、Mr.Childrenのシングルでは最大のヒット作となっています。桜井さんとコバタケが各自で考えてきたコード進行が嘘のような話ですが見事に一致して短時間で完成したという奇跡的な逸話も。またこの曲の歌詞が夏目漱石の著書『こゝろ』を連想させます。桜井さんが意図してそう書いたのかは分かりませんが《無邪気に人を裏切れる程 /  何もかもを欲しがっていた / 分かり合えた友の愛した女でさえも》や《償うことさえできずに今日も傷みを抱き》なんて歌詞は『こゝろ』を読んだ方ならハッとさせられるはず。小説の主人公である 先生が罪悪感と孤独を抱えながら懺悔するあの悲哀をどうしても重ねてしまうのです。


第4位  蘇生
 2001年にリリースされた10thアルバム『IT'S A WONDERFUL WORLD』の収録楽曲。ミスチルポップスの真骨頂とも言っても過言ではないかな。アルバムの(実質的な)1曲目に配置された事で長らく続いていた深海からの蘇生も感じさせる1曲となっています。《誰も知らない景色を探す 旅へと出ようか》1998年リリースの「終わりなき旅」も引っくるめて新しく提示されたの存在。《今度はこのさえない現実を夢みたいに塗り替えればいいさ》さえない現実を悲観するのではなく、1日1日毎に蘇生を繰り返す自分自身の力で現実的な夢へと変えて行こう。それがメジャーデビュー10年目にしてMr.Childrenがやっと辿り着けた醜くも美しい世界での生き方なら、深海で苦しんでた過去も誇れたりするのでしょうか。


第3位  終わりなき旅
終わりなき旅
1998年にリリースされた15thシングル。ファンから絶大な支持を集める作品であるのは言うまでも無いですが、スポーツ選手からの支持も多いのはこの楽曲に内在した自己肯定感にあるのでしょうか。活動再開をして復活シングルとして放たれた大作。《閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて / きっと きっとって 僕を動かしてる》有名なサビですが、新しい何かってなんなんでしょう。同じ『DISCOVERY』に収録されている「ラララ」のサビ《 簡単そうに見えてややこしく / 困難そうに思えてたやすい / そんなラララ / そんなラララ /  探してる 探してる》と探してる物をラララという代名詞で表現して歌っています。この段階では胸に抱え込んだ迷いをプラスの力に変えるヴァイタリティーこそ得たものの、肝心な新しい何かは模索の途中。この楽曲を土台にしてMr.Childrenは今でも走り続けているのです。


第2位  名もなき詩
名もなき詩
1996年にリリースされた10thシングル。俗にいうミスチル現象の真っ只中にリリースされた作品ですから累計売上はなんと230.9万枚。イントロから『ジャガジャーン』とギターとドラムが勢い良く飛び出したかと思うと途中からベースも合流。アコーディオンまでも鳴り響き、サビの後は転調するという卓越したバンドサウンドは圧巻の一言に尽きます。ライブでも盛り上がる楽曲ですが、歌詞は割と内向的なような。深海の「名もなき詩」という視点から考えた方がこの曲の本質が見えそうです。《愛はきっと奪うでも与えるでもなくて / 気がつけばそこにあるもの》桜井さんが大変この詩を気に入ってた記憶があります。この曲は桜井さんが描き出した愛情の着地点のよう。


第1位  Any
Any
2002年にリリースされた23rdシングル。1位は「Any」でございます。思い入れが強すぎて何を書けばいいかよく分からないのですが……。このシングルがリリースされた直後に桜井さんが小脳梗塞で入院。活動休止を余儀なくされました。桜井さんが病室のテレビから何度も流れた「Any」を聴いた際に「歌詞に込めたメッセージがまさか自分を励ますことになるとは思っていなかった」と話しています。当時この曲はdocomoのCMソングでした。《今 僕のいる場所が 探してたのと違っても / 間違いじゃない / きっと答えは一つじゃない》今の自分が置かれている境遇に対する妥協じゃない?昔はそんな事を考えてましたが、今はこの「Any」が泣くほど染みるのです。色んな組織に触れ、人間と関わった事で経験した失望や葛藤。マイナス思考で悩みまくった結果、ひたすら後悔を繰り返す事も多かった僕。そして全てに嫌気が指した時に何となく音楽プレーヤーから流れて来たのがこの「Any」。自分を見透かされている気がして、震えが止まりませんでした。きっとこれからも「Any」を胸に抱えて生きていくと思います。そしてMr.Childrenがこれから進む道が自分が思ってたのと違くても応援しようと思うのです。《きっと答えは一つじゃない》(やまだ)





僕が選んだMr.Childrenのベストソングランキング

1位    Any
2位    名もなき詩
3位    終わりなき旅
4位    蘇生
5位    Tomorrow never knows 
6位    ロードムービー
7位    ALIVE
8位    深海
9位    Worlds end
10位  【es】〜Thema of es〜
11位  くるみ
12位  擬態
13位  シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜
14位  Image
15位  Prelude
16位  あんまり覚えてないや
17位  and I love you
18位  Everything is made from a dream 
19位  足音〜Be Strong 
20位  天頂バス
21位  靴ひも
22位  BLUE
23位  クラスメイト
24位  未来
25位  優しい歌