Mr.Childrenが25周年を記念して行っている行っているツアー『Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』の日産スタジアム初日公演を観た。

昨年からホールツアーを中心にライブ活動を行い、同期を一切使わず全て生音でライブをするという新たな試みでそのポテンシャルの高さを提示したMr.Children。そんな彼らが25周年という一つの節目を迎え、ホームグラウンドとも呼べるドーム&スタジアムの舞台に戻ってきた。

筆者が目の当たりにした日産スタジアム初日公演はとにかく感謝と愛情に満ち溢れた物であった。誰もが知るような大ヒットナンバーを惜しげも無く披露していくフルコースのような濃密なセットリストと演出。どこを切り取っても贅沢なのだが、今回のこのブログでは筆者が厳選したライブのある一部分のみを切り取ってお届けしたいと思っている。それは他の会場では聴けない、現段階で日産スタジアムのみでしか演奏されてない楽曲についてだ。

花道に設けられたサブステージでアコースティックギターを肩から下げた桜井和寿がこんな事を話し出した。

僕が作詞作曲した曲が僕と違う人格を持っていたとして、その人がMr.Childrenの鈴木英哉に、中川敬輔に、田原健一に、桜井和寿に是非歌ってほしいって言うんだ

誰もがその言葉の意味を咀嚼しようとしていたのだろう、7万人が埋め尽くす会場が一瞬静まり返る。「キョトンとするな (笑)」と桜井。こうして桜井の弾き語りで「Simple」が演奏された。このMCが本当に泣かせるのだ。普通ならアーティストが内発的に「この曲を歌いたい」と思うからライブで披露される。ただ桜井によると、ここで歌われた「Simple」だけは違ったのだ。この曲が単体で人格を持ち、外発的に桜井和寿を諭したとも言っていい。

1997年にMr.Childrenが活動休止に入り、復帰後初のアルバム『DISCOVERY』に収録されたこの曲は『深海』『BOLERO』を経て桜井和寿がやっと歌えた一つの"発見"であった。《悲しみを連れ遠回りもしたんだけど / 探してたものはこんなシンプルなものだったんだ》この曲は単なる"君"への想いを綴ったラブソングではない。それ以上の意味合いを持っている。

あの日、あの場所でこの曲が鳴らされた意味を考えたい。この曲の本質は多分そこに内在しているのだろう。日産スタジアムの真ん中で「Simple」を徐に歌い出した桜井和寿の背中を眺めながら、筆者はそんな事を考えていた。(やまだ)
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