RADWIMPSに「セプテンバーさん」という楽曲がある。皆さんはご存知であろうか。2006年にリリースされたメジャー1stアルバム『RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜』にのみ収録された楽曲だがファンからの人気も高く、9月になるとこの楽曲タイトルがTwitterのトレンドに毎年と言っていいほど浮上するのだが、一体「セプテンバーさん」とは何なのだろうか?

「セプテンバーさん」というタイトルの意味は、9月3日。RADWIMPSにとって非常に大きな意味を持つ日である。インディーズ時代に初めて彼らがライブハウスでワンマンライブを行なったのが2004年の9月3日。そして今はなき横浜BLITZでメジャーデビューを発表したのが翌年の9月3日。このライブで「今日のために作った曲」として初披露されたのが何を隠そう「セプテンバーさん」であった。歌詞が未完成の状態でありながらも会場にいた1000人に届けられた背景からは野田洋次郎(Vo.Gt.)がこの曲に込めた強い想いを掬い取る事が出来るかもしれない。夏の終わりで揺れ動く男女の心情にフォーカスしたラブソングであるが、メジャーデビューへの進出を発表したRADWIMPSの境遇を投影するとどうだろう。

RADWIMPSにとってのインディーズ時代とはそれこそ『夏』のようにキラキラした魔法のような時間だったのかもしれない。本物よりもリアルに見えた あの魔法はもう解けた  / けどギュっとすればキュンとなるあれは 夏のおかげなんかじゃない》夏の魔法が解けても相手への気持ちは変わらないと信じている「僕」とそれを信じきれない「君」。その関係性に当時のRADWIMPSとリスナーの関係性を透かして見るとこの曲の味わいがまた少し変わるかもしれない。 横浜BLITZでメジャーデビューの発表を聞いたファンが感じていたであろう不安に寄り添うように野田は《君が笑える理由なら 僕が見つけてきてあげる》と歌うのだ。そして一人のために描いた夢を《でも今ならば この声ならば届く気がしたんだ》と他の誰かに届けに行くという決意が垣間見える。RADWIMPSとファンーー。 その両者を繋ぐものこそきっと"セプテンバーさん"なのだ。

現在のRADWIMPSはどうだろう。今の彼らは『夏』の魔法とは違う別の魔法にかけられているような気がしてならない。「セプテンバーさん」が初披露されてから今日で12年。彼らの曲は今まさに日本中を包み込んでいる。世界でも彼らの曲に感銘を受けてる人々がいる。それでもRADWIMPSとファンの関係が変わる事はない。何でも無いようで大きな意味を持つ「セプテンバーさん」で繋がっているのだ。きっとこれからもそうだろう。今日は特別な気持ちでこの曲を聴きたいと思う。(やまだ)


(青とメメメ 「セプテンバーさん」)




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