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こんにちは、負け犬です。
さて2018年も佳境に入りまして、いよいよ残すところ僅かでございますが皆さん如何お過ごしでしょうか。今年はブログを13本しか投稿しておらず、そのあまりの手抜き加減に反省しております。そんな中でもこんな極貧状態のブログを読んで下さったり、温かいコメントを書いて下さる皆さんには頭が上がりません。本当にありがとうございます。

昨年の年末に『今年の私的ヒットチャートを勝手に組んでみよう[2017年編]』という下らないブログを投稿したのですが、今回は性懲りもせずにその2018年編でございます。昨年は10曲を厳選して紹介したのですが、今年は奮発して20曲を悩んで悩んで選びました。ただ今年の邦楽シーンを賑わせた米津玄師さんやあいみょんさんの名前が一切登場しない辺り…そのくらい本当に僕の好みと独断と偏見で選ばせて頂いてるのでご了承下さい。勿論ですが音楽に順位を付けるのがナンセンスだという事は重々承知しております。正直全部1位にしたいくらいです。そのくらいの気持ちですので、あまり順位は気にせずに気軽にフラットに読んで楽しんで頂けたら幸いです。それでは皆さん、良いお年を。(やまだ)



20位  Telepath Telepath / PELICAN FANCLUB
今年メジャーデビューを果たしたスリーピースロックバンド、PELICAN FANCLUBの1stミニアルバムBoys just want to be culture』に収録されているこの楽曲。歌詞の分量はさほど多くないのだが《さよならだ もう嫌だ 終わりにして ノストラダムスより愛を込めて》《古い頭は幻か幻か事件か事件か幻か》というエンドウアンリさん(Vo.&Gt.)特有のユーモラスな言葉が散りばめられ尚且つそれが浮遊感のあるサウンドと絶妙に交わり何とも不思議な世界観を築き上げている。バンドにとってかなり初期のナンバーでありながら、メジャー1作目の1曲目に収録されるという正に“PELICAN FANCLUB”の代名詞と呼ぶに相応しい楽曲なのだ。


19位  花が咲いている / 石川さゆり

石川さゆりさんの通算123枚目のシングル『花が咲いている』の収録曲。初めてこの曲を聴いた時にいきものがかりみたいなメロディラインだと思ったのだが、作詞作曲をいきものかがりの水野良樹さんが担当していると知り納得。プロデュースは亀田誠治さんが担当。これがもう唸らずにいられない程に素晴らしい歌謡曲に仕上がっている。《花が咲いている みんな生きていく / ほんの少しのさびしさ胸にひめて》《なにげない毎日を愛していきたい》一喜一憂ある人生を優しく紐解いてゆく石川さゆりさんの歌声。アウトロで飛び込んで来るエレキギターのソロにもグッと心を掴まれてしまう。これからもこの楽曲が沢山の人々の心に花を咲かせますように。


18位  サマータイムマシーン / THE BOY MEETS GIRLS
名古屋発の4人組ロックバンド、THE BOY MEETS GIRLSの1st Full album『HITCH HIKE』に収録されているサマーチューン。アップテンポで彼ららしい高揚感あるメロディラインとは対照的に歌詞は内省的。繰り返される《夏もフェスも大嫌いです》というフレーズに思わず耳を疑ってしまうが決して夏嫌いの曲ではないという事は楽曲を聴いて貰えれば一目瞭然であろう。実はこの楽曲の主人公は高島大輔(Vo.&Gt.)さん自身であり、彼のほろ苦い夏の思い出がこの曲の土台になっている。Music Videoは実際のロックフェスで撮影が行われていて、メンバーはあくまで客としてステージを眺めているのだが、いつか彼らがフェスで何千何万というオーディエンスを沸かしている光景を見てみたいものだ。


17位  化けるレコード / ニガミ17才

ニガミ17才にとって初の全国流通盤となった2ndミニアルバム『ニガミ17歳b』に収録された楽曲。ニガミ17才っていうバンド知ってますか?何その“キレる17歳”みたいなバンド名。バンドに関する詳細が気になった方は是非ネットで調べてみて下さい。さて曲の話にシフトして行きたいのだがこの「化けるレコード」だけで充分に溢れ出てしまうこのバンドの途轍もない変態性。意味深に羅列された独特な言葉。岩下優介(Vo.&Gt.)さんのマイケル・ジャクソンを彷彿とさせるような歌唱法。思わず聴き入ってしまう予測不能なリズム隊。平沢あぐび(Key.)さんの生活音を歌ったようなフレーズ。何だこれの集大成。きっとジャンル的にはAOR辺りにカテゴライズされるのかもしれないが、これはもうニガミ17才っていう1つのジャンルなのだと思う。


16位  maximum the hormone II~これからの麺カタコッテリの話をしよう~ / マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモンの新作アイテム『これからの麺カタコッテリの話をしよう』に収録されたこの楽曲。重度のヘルニアと診断されたダイスケはん(Vo.)が手術を受ける為に当面のライブ活動の休止を発表したホルモン。なんと新曲を出すのは約5年半ぶり。特に腹ペコ(ホルモンファンの総称)という訳でもない自分でも流石に腹ペコでした。同じく新作アイテムに収録されているポップパンク「拝啓VAP様」で封印されていたヘドバンデス声をこの楽曲では惜しまずに解禁。生活習慣病から合併症を起こした事で食事制限を実施し見違えるほど痩せたのにも関わらず「デブの方が良かった」と言われ続けてきたマキシマムザ亮君の鬱憤を晴らすような刺激的な回答ソングであり7年前の「maximum the hormone」を余裕で超えてしまうダイナミズムがそこにはある。 


15位  ドラマ / C&K

C&Kにとって通算16枚目となったシングルの表題曲「ドラマ」は日本テレビ系2018年7月期土曜ドラマ「サバイバル・ウェディング」の主題歌に起用されたダンサブルな1曲。ハイトーンボイスで歌われるサビに向かって徐々にボルテージを上げていく疾走感のあるキャッチーなメロディ。そしてそこに乗せられたただ待ってるなら感じるまま風をたより / 走りだせば ほら動き出す》《変わりのない日常を不満や疑問で満たすより / 一息ついて立ち止まればヒントはいつか落ちてくる》といったCLIEVYさんとKEENさんが手掛けた歌詞は人生という壮大なドラマを生き抜く全ての人々にストレートに響くバイブスのように聴こえてくる。


14位  ain't on the map yet / Nulbarich

今年の躍進が著しかったバンドの1つとしてこのバンドの存在は欠かせないだろう。Nulbarichの2ndアルバム『H.O.T』にリード曲として収録されているこの楽曲。まずこのMusic Videoがちょっと話題になった。美人教師に密かに恋心を寄せる男の子の脳内で展開されるロマンティックな妄想ストーリー。その中で男の子が披露するキレッキレなダンスには思わず目を奪われてしまう。楽曲の終盤には美人教師も踊り出し「お前も踊るんかい」っていう。そのストーリーとリリックが重なっていくのもまた良い。近年はほぼ固定となっているが楽曲によってバンド編成を変えている彼らだからこそ為せる幅広いグルーヴと表現力。来年には早くもNewアルバムと全国ツアーが決まっているNulbarichの勢いは止まらない。


13位  彷徨う日々とファンファーレ / KANA-BOON

KANA-BOONにとって3枚目のミニアルバム『アスター』にリード曲として収録されている「彷徨う日々とファンファーレ」という1曲。《会いたいだけ / 嗚呼、痛いだけ / 日々が過ぎてゆく》会いたい人に会えないもどかしい気持ちを疾走感あるキャッチャーなメロディ。そして谷口鮪(Vo.&Gt.)さんの言葉遊びのセンスやKANA-BOONらしい四つ打ちのドラムは健在で今作でもそれが十二分に堪能できるスタンダードな楽曲に仕上がっている印象を受ける。直接的な関係はないだろうが《甘い夜と自販機のライト》というフレーズからは1stフルアルバム『DOPPLE』に収録されていた「羽虫と自販機」を彷彿とさせてしまい若干の懐かしさを覚えた。


12位  ラヴソング / SUPER BEAVER

SUPER BEAVERにとって6枚目のフルアルバム『歓声前夜』に収録されたこの楽曲。単刀直入に言うとめちゃくちゃ良い。もうこの一言で充分かもしれない。長ったらしい説明など不要にも思える。まぁ一応は書くけど。「ラヴソング」というストレートなタイトルからついつい男女間の好き好きラブソングをイメージしてしまうがそういう訳ではない。《僕が出会ったあなたには 僕の大事な仲間には / シアワセになってほしいんだ シアワセであってほしいんだ》自分を取り巻く全ての人々の幸せを願って高らかに歌われている。男女とか関係なく人が人を想うその気持ちこそが“”であり、そこにフォーカスしたこの楽曲は誰にでも普遍的に響くラヴソングになっているのではないだろうか。


11位  アイデア / 星野源

星野源さんにとって初の配信限定シングルとしてリリースされた「アイデア」はNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の主題歌として書き下ろされた楽曲である。この曲を初めて聴いた時にバケモンだと思った。歌詞良しサウンド良しMV良しで星野源というミュージシャンが持っているアイデアの集大成を見せつけられた気がした。特筆すべきは1コーラス目と2コーラス目での歌詞の対比。簡単な表現を使うなら1番は明るくて、2番は暗い。個人的には2コーラス目の歌い出しで真夜中に対して「おはよう」と言ってるのが実にサイコチックでお気に入りなのだが、ここは1コーラス目と2コーラス目を同一のストーリーとして繋ぎ合わせる為の重要な要素になっているようにも思える。因みに1つの楽曲に陽と陰の要素を取り込む事自体は珍しい事ではない。寧ろ流行歌やヒット曲と言われる楽曲の多くは陽と陰どちらの側面も持ち合わせているものだ。だがそれを歌詞だけでなくここまで明確にサウンドで表現した例は珍しいと思う。1コーラス目と2コーラス目で全く同じサビを歌っていながら聴こえ方が全く違うのは歌詞だけでなくサウンド面の影響も少なくないだろう。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌「恋」での国民的大ヒットから2年。その渦中で星野源さんが手にしてきた数々の栄光と密やかに抱いていた葛藤が高次元で昇華された極上のポップスである。


10位  ツキアカリ / 重盛さと美

重盛さと美さんの2ndシングル『Lonely tonight / ツキアカリ』からこの楽曲を。重盛さんの鼻にかかった可愛らしい歌声が印象的なミディアムテンポのダンスポップチューンである。3月31日の放送をもって22年の歴史に幕を閉じた国民的バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』この番組の終了は個人的にはかなりショッキングな出来事であり、 平成という1つの時代が終わっていく事を感じざるを得なかった。重盛さと美さんは2010年に大々的に行われた新メンバーオーディションで選ばれた1人であり、新メンバーの中で最も爪痕を残したのは彼女だと思っている。この楽曲についてInstagramで“大好きな大切な番組への思いを歌にしました”と綴っており、めちゃイケの最終回でも重盛さんのスピーチでこの楽曲について僅かではあるが触れられていた。フジテレビ本社ビルをバックにして歌う重盛さと美さんがとにかくめちゃくちゃかわいいのでMVは何度でも観れる。再生ボタン壊れるほど押したもん。かわいいは正義。


9位  Prayer X / King Gnu

King Gnuの1stシングルである「Prayer X」はアニメ『BANANA FISH』のエンディングに起用されているという事でバンド初のタイアップ書き下ろしの楽曲となっている。どの楽曲を聴いてみても完成されすぎて恐怖すら覚えるKing Gnu。常田大希(Vo.&Gt.)さん曰く原作を熟読して制作されたらしく、全く原作を知らない僕には分からないがこの楽曲の評判の高さを見ると世界観はかなり踏襲されているのではないだろうか。知らんけど。井口理(Vo.&Key.)さんが「誰しもが持つ葛藤と祈りの歌なのだと思う」とコメントしているようにこの人生に意味があるのなら教えてよ / 脆く、儚い日々の中で痛みや悲しみさえも飲み干した今 / 僕らは一体全体何を信じればいい?》と誰かに助けを乞うような言葉が叙情的に歌われている。この楽曲を聴いて傷口を癒すのか、それとも更に抉るのかは聴き手次第といった所か。


8位  夢中 / ケツメイシ

ケツメイシにとって11枚目のオリジナルアルバム『ケツノポリス11』の収録曲。上のダイジェスト映像にはまさかの「夢中」が使われておらず申し訳ないです。テレビ朝日バドミントン中継イメージソングとして書き下された事もありケツメイシらしい応援歌だ。意図的にスポーツ関連の言葉を使わないように作詞がされているのでスポーツ選手に限らず、今を頑張る全ての人の背中を押してくれる楽曲に仕上がっているという巧妙さ。《僕らの旅は まだまだ途中で / 起きているのになぜか夢中で》メンバー全員がっつり中年のおじさんなのに楽曲が色褪せる事なくここまで蒼く若々しい。それはケツメイシが少年の頃のピュアなハートを失わずに持ち続けているからに違いない。無論、その一方で酒飲んで女追いかけるのもケツメイシの良さなんだけど(笑)


7位  栞 / クリープハイプ

クリープハイプの5thオリジナルアルバム『泣きたくなるほど嬉しい日々に』の収録曲。元々はFM802のキャンペーンソングとして尾崎世界観(Vo.&Gt.)が書き下ろし、Radio Bestsellersというかなり豪華なミュージシャンを揃えたユニットで歌唱されていた。今作はそれのクリープハイプバージョンな訳だがこれがもう抜群の名曲。イントロから「手と手」を彷彿とさせるような疾走感のあるギターが飛び込んできて、その勢いのままサビまで駆け抜けてくれる清々しさ。そんな曲だが春を舞台にした失恋模様が歌われている。《桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う / 嘘だよ ごめんね 新しい街にいっても元気でね》何気ない日常に恋愛観を透かした歌詞を書かせたら尾崎世界観の右に出るものはいないと思っているのだが、この楽曲もそう。《うつむいてるくらいがちょうどいい / 地面に咲いてる》散ってしまった桜はひらひらと地面に落ちてそこでまた花を咲かせている。後悔を歌っているようで、しっかりと前を向いてくれている。


6位  住所 feat. 岡村靖幸 / KICK THE CAN CREW

KICK THE CAN CREWにとって約15年ぶりのニューシングルに招かれたゲストはなんとシンガソングライターの岡村靖幸。DAOKOさんとコラボした昨年の「ステップアップLOVE」も記憶に新しい。“住所”というシンプル且つセンセーショナルなこんな単語を曲名にしてしまう唯一無二の岡村ちゃん節。《そうさ住所 一緒のとこにしよう / 約10畳ぐらいの部屋でどう?》そしていざを蓋を開けたらまさかのラヴソング…と思っていたらとんでもないブログを偶然見つけてしまった。あんなに聴き惚れていた「住所」を180度ひっくり返されてしまった。こちらのサイトです。韻に特化した細川貴英さんのこのブログでは「住所」の韻に隠された意味を解説するという事でリリックを細かく分析し歌詞に登場する数々の単語の違和感を見事に解消してくれている。もうこのブログ読んで下さい。※『踏む.韻』ブログURLの掲載に当たりまして細川貴英さんには事前に連絡をして許可を頂いております。ご協力ありがとうございます


5位  金木犀の夜  / きのこ帝国

きのこ帝国のメジャーデビュー3枚目のオリジナルアルバム『タイム・ラプス』のリード曲。バンド結成10周年イヤーも経て制作された『タイム・ラプス』に加えて、今年は佐藤千亜妃(Vo.&Gt.)さんのソロ活動が始まったりとかなり充実していた気がする。アルバムを追うごとに変化していく幅広い音楽表現からは色んな一面が垣間見え、この御時世にきのこ帝国をシューゲイザーと一括りにカテゴライズする人はいないのではないかと思う。さて「金木犀の夜」だが繊細な美しいイントロから何の抵抗もなくこの楽曲のノスタルジックな世界観に引き込まれる。過去の恋に想いを馳せる感傷的な言葉の数々も棘を持って突き刺さる訳でもなく、しっかり温かみを持って昇華されている。新保拓人さんが監督を務めたMusic Videoもこれまた美しい映像なので是非。


4位  壮年JUMP / サザンオールスターズ
サザンオールスターズがデビュー40周年を記念してリリースしたプレミアムアルバム『海のOh, Yeah!!』に収録されたこの楽曲。無論それぞれ好き嫌いはあるが今の時代にサザンを国民的バンドと呼んで異を唱える者はそうそう居ないと思う。CD売り上げ、ヒット曲の数、知名度。何を持って“国民的バンド”と呼ばれるのか僕には分からないが「壮年JUMP」のような楽曲をこの時代に届けてくれるのが何よりもそう呼ばれる所以のような気もする。《夢とロマンのスーパー・ヒーローは / 未来のドアを開け去ってった》抽象的な歌詞からこの楽曲に於いてのアイドルが一体誰なのか話題になったが、それはこの曲を聴いたリスナーそれぞれがそれぞれ胸に抱くアイドルを重ねれば良い。(因みに桑田さんの中ではデヴィッド・ボウイが亡くなった事が大きく、惜しまれながら引退した安室奈美恵さんの影響もあったようだ) その普遍性こそがこの楽曲の最大の魅力ではないか。 


3位  消えない / 赤い公園

今年の邦楽シーン3大トピックスを個人的に選ぶなら、まずELLEGARDENの復活。ゲス乙女の休日課長のテラハ加入。そして石野理子の赤い公園加入だろう。自分の地元がちょっぴり近いからという理由で勝手に親近感を抱いていた赤い公園からバンドの核となるボーカルの佐藤千明さんが脱退してから約1年。これからはスリーピースとして活動を続けていくのだと思い込んでいた僕にとって石野理子さん加入の知らせは青天の霹靂であった。こうして石野理子さんを迎えた待望の新曲「消えない」のMusic VideoがYouTubeで限定公開された訳だが完全にノックアウトされた。凄すぎる。ギターのカッティング、テクニカルなドラム、歪んだベース。長年の年月の中で育まれた赤い公園のアンサンブルに堂々と殴り込みを見せる石野理子さんの声とその存在感。彼女のポテンシャルをここまで引き上げた津野米咲(Gt.)さんが凄すぎるのは言うまでもない。

この楽曲はボーカルが変わろうとこれからも赤い公園が赤い公園で在り続ける事への決意表明なのだと思う。《終わらせたって良いけど / 終わらせるなら今だけど》そんな運命を真っ向から否定して抗うように楽器を掻き鳴らす楽器隊。アイドル時代にあれほど拘り続けたボブヘアーを乱しながら踊り狂う石野理子。赤い公園はこんなところで消えない。


2位  そっけない / RADWIMPS

RADWIMPSにとって9枚目になったオリジナル・アルバム『ANTI ANTI GENERATION』に収録されたしっとり系のラブソング。振り返ってみると意図的に野田洋次郎さん(Vo.&Gt.)がラブソングを作らなかった期間もあるのだが、やっぱり野田洋次郎はラブソングの名手だなと。これまで恋愛の渦中か終焉を歌ってきた楽曲が多い一方でこの楽曲では終始片想いの心情を歌っている。またかつてのRADWIMPSに代表される恋愛にベロンベロンに酔ったような歌詞ではなく、洋次郎さんも30代になって《絡まったままのこのイヤホン 一瞬でほどくような魔法それが君だとか言ったなら 鼻でまた笑われてしまうかな》と少し恋愛を達観した歌詞を書けるようになったこの変化を堪能して貰いたい……と色々と御託を並べてみたがやっぱり違うんだよ。この曲はド主観で聴かなきゃ駄目なんだよ。余計な事は考えずに楽曲を繰り返し聴くなり、MVを観るなり、とことん自己投影して、とことん悶えて下さい。その辺の中高生に本当の意味でこの楽曲の良さが分かって堪るか(泣)


1位  33才の夏休み / 神聖かまってちゃん
今年で結成10年を迎えた神聖かまってちゃんの9thオリジナルアルバム『ツン×デレ』のリード曲。音楽に順位を付けるなんてやっぱり野暮だとは思うのだけれど、正直この楽曲が今年の断トツなんですよ。大名曲です。かまってちゃんの1stミニアルバム『友だちを殺してまで。』の収録曲「23才の夏休み」で歌われていた“そして33才さ”が現実になった今、の子さん(Vo.&Gt.)は何を思うのか。《年だけとってた》《いつか終わるんだって》《カンカンと枯れて》《失っていくんだもっと僕は色々と》《人生にただ疲れてる》というネガティブな歌詞からは33才になったリアルな喪失感人生の疲労感も漂わせながら、それをかまってちゃんの夏休みシリーズではお馴染みのメロディライン(イントロのリフ)を引用した爽やかなバンドサウンドで明るく歌い上げている。

そして何といってもこのMusic Videoが本当に素晴らしい。女優・池田朱那さんが演じるいじめられっ子の少女が自殺を考えるような絶望的な日常の中で偶然拾ったMDプレーヤーから神聖かまってちゃんの音楽と出会い次第に変わっていく姿があまりに眩しく描かれている。このMusic Videoを初めて観た時にこの少女はかつての子さんなのだと思った。「ロックンロールは鳴り止まないっ」で歌われていたあの頃の。音楽って大袈裟ではなく鬱屈とした日常を劇的に変えてしまう魔法のようなものだと思っていて、神聖かまってちゃんがこの10年で誰かにとってそんな音楽を鳴らせるバンドになっていたことが僕にはあまりにも尊く感じられた。大事なものは何一つ変わらずに変わり続けた最高のロックバンド、神聖かまってちゃん。今年も最低な夏をありがとう。
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