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9月19日に代々木公園で開催されたサザンの曲だけが歌われる野外フリーライブ『勝手にサザンDAY〜みんなの熱い胸さわぎ2018〜』に行って参りました。今イベントは桑田佳祐のソロワーク『がらくた』でアートディレクションを務めたアートディレクターの千原徹也さんの発案で企画されたもので、プロジェクトに賛同したサザンをリスペクトするアーティストや著名人を招きサザンオールスターズデビュー40周年を盛大にお祝いしようという一大ファンイベントである。今回のこのブログではざっくりとだがイベントの雰囲気だけでも読者の皆さんと共有できるようイベントとレポートをしていきたいと思う。


16:00〜 オープニングアクト
いとしのエリーズ & 桑田研究会バンド

1. いなせなロコモーション(エリーズ)
2. マンピーのG★SPOT(桑研)
3. 希望の轍(エリーズ)
4. みんなのうた(桑研)
5. HOTEL PACIFIC(合同)

開場時間になるといきなりオープニングアクトであるサザンのトリビュートバンドのいとしのエリーズ桑田研究会バンドが登場。1曲目はいとしのエリーズによる「いなせなロコモーション」!ボーカルの兼近TOWAさんがクラップを煽って着実に会場を温めていく。ここでボーカルはやのっちさんに交代し2曲目は「マンピーのG★SPOT」というサザンの盛り上がりナンバーを連発!セクシーなダンサーも登場しモノホン宛らのステージング。「頭からこんな2曲やっていいの?ライブ逆算してるみたいな(笑)」と兼近さん。3曲目は兼近さんボーカルで「希望の轍」!コピーとは言えど「希望の轍」のあのイントロを聴いてしまえば思わず声を上げてしまうような。またしてもボーカルはやのっちさんに代わり、 歌われたのはサザンファンなら分かる「あの日から何度目の夏が来ただろう〜」のフレーズでお馴染みのあの歌。そこから「みんなのうた」へ突入すると過去のサザンのグッズTシャツを着たダンサー達も登場しステージを華麗に彩った。最後のMCでは兼近さんが「サザンのコピーバンドをやってきて本当に良かったです。まさかこのステージに立てるなんて夢にも思ってなかったです。YouTubeで沢山怒られながらやってたんですけど(笑)」と感慨深そうに心境を語った。いとしのエリーズと桑田研究会バンド…それぞれ全く別のサザントリビュートバンドとして活動を続けて10年以上が経っているそうで、両者が同じステージに立つ事はまず無く今回のこの共演について「皆さん分からないと思うけど今凄い瞬間に立ち会ってるんですよ?(笑)」とやのっちさんも興奮気味であった。最後の最後はツインボーカルでこれまた盛り上がる1曲「HOTEL PACIFIC」が演奏されると、オープニングアクトを全うした2組は満足そうにステージを去っていった。


Licaxxx

お次はリカックスさんなのだが、これについては謝らせて下さい。いつの間にかステージに登場していて意識して聴いたのは後半の5分くらいでした。てっきり転換の合間に繋ぎでサザンの音楽が流されてるだけだと思ってたらリカックスさんが曲を流していたという…。MCも何もなく淡々と音楽を流して去っていくその姿が本当にクールビューティ。「ふたりだけのパーティー」「イヤな事だらけの世の中で」「LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜」などといった楽曲が流されて、この選曲についてリカックスさん本人は自身のTwitterで《DJではなく最高の順番でサザンの曲をかける係でございました。曲名と歌詞で20分の物語になっております。どなたでもできます、ただそこにあるのはサザン愛です》とコメントを出している。しっかり最初から聴いておきたかった。


フィロソフィーのダンス

壮年JUMP

今イベントでは唯一のアイドルユニットであるフィロソフィーのダンスが登場。 簡単な自己紹介をすると披露されたのは「壮年JUMP」であった。そう来たか!サザンオールスターズの最新曲であるこの「壮年JUMP」は桑田佳祐が少年時代に胸を熱くしていたアイドル達、そしてサザンと一緒に音楽シーンを歩んできたアイドル達へのリスペクトが込められた曲でありノスタルジーに浸りがちだったのだが、この曲を今まさに現在進行形でアイドルを全うする彼女達が歌うという事にハッとさせられるものがあったのだ。瑞々しいダンスとあの歌声。可愛らしい容姿に愛嬌。「壮年JUMP」でも歌われているがやっぱりなんてったって最強なのはアイドルなのである。


17:00〜 START
ここからはいよいよ本篇がスタート。総合司会としてMEGUMIさんとDJ TAROさんが登壇。この企画の詳細とこの後のラインナップがテンポ良く説明されていく。今回のイベントの為に編成された林部直樹さん (Gt.)、ejiさん (key.)、西村奈央さん (key.)、平里修一さん (Dr.)、そして90年代にはサザンのサポメンも務めていた根岸孝旨さん (Ba.)というスペシャルトリビュートバンドをバックに次々とゲストミュージシャンを招いてイベントは進行していく事になる。

そしてここからはミュージシャンの数がかなり多いため1組1組をレポートしていくのは限界があると判断したので、どのアーティストの方々も素敵だったのですが個人的に特に印象に残ったステージを5組厳選してレポートしたいと思います。


佐藤千亜妃(きのこ帝国)

TSUNAMI

本篇のトップバッターを務めたのはきのこ帝国のボーカル、佐藤千亜妃さん!きのこ帝国は個人的に好きなバンドで佐藤千亜妃さんを生で観るのは初めてだったので息を殺しながら観ていた。会場が千亜妃さんの声を待つ中で歌われたのはサザンオールスターズの名曲「TSUNAMI」だった。この選曲には会場からも感嘆の声が漏れた。サザンファンがほぼ10割という千亜妃さんにとっては完全にアウェイなあの会場で歌う1曲にいきなり歌い出しから始まるイントロのない「TSUNAMI」を選ぶその決意に完全にやられてしまった。一言一言を丁寧に包み込むように歌い上げるその姿は脳裏に焼き付いている。


岩瀬賢明(とけた電球)

東京VICTORY

着実にシーンの注目を集めているバンド、とけた電球からはボーカルの岩瀬さんが登場。「失恋した時には『真夏の果実』を夏になれば『波乗りジョニー』を聴く典型的な人間です」と自己紹介をし「東京VICTORY」を披露。岩瀬さんの凄いところはあれほど豪華なバックバンドが後ろにいながら、エレキギター1本の弾き語りで終始「東京VICTORY」を歌い上げたところだろう。カッコよすぎかて。みんなで一緒に合唱する部分ではオーディエンスを煽ったり、手拍子をやめさせて聴かす所はしっかりと聴かせたり、最後は「サザン, The world is one!!」とばっちり歌詞を変えたり…岩瀬さんの中にあるサザン愛をストレートに感じたパフォーマンスであった。


おとぎ話(Vo.有馬和樹 Gt.牛尾健太) 

1. わすれじのレイド・バック
2. 栞のテーマ

4人組ロックバンド、おとぎ話からはボーカルの有馬さんとギターの牛尾さん。「こんにちは、妖怪です」「僕は妖怪ですけどギターの彼はイケメンなんで…」といきなり自分の容姿をネタにしたブラックジョークで笑いを誘うと、渋めの選曲として披露されたのは「わすれじのレイド・バック」と「栞のテーマ」の2曲。これにはオーディエンスからも歓声が上がる。「わすれじのレイド・バック」は長らくサザンのライブでも演奏されてないが、オーディエンスの大合唱に包まれていたのは目頭を熱くするものがあった。有馬さんの特徴ある温かい歌声と牛尾さんのメロウなギターサウンドがこの曲にピッタリであまりの心地良さに肩を揺らしてしまう。  MCで「これライブやってるミュージシャンが一番楽しいらしいです」と有馬さん。本当に幸せそうにサザンのサウンドに会場全体が酔いしれた瞬間だった。


小西安陽

今回のイベントにはDJも数人参加しており、先程も記述したリカックスさんやDJやついいちろうさん、DJダイノジさんと言った面々が顔を揃える中で最後のDJとして登場したのがDJ界の大物、小西安陽さんである。「当たって砕けろ」「太陽は罪な奴」「東京シャッフル」といったナンバーをワンコーラスずつ淡々と繋げていくのだから、もう会場は軽くディスコ状態である。しかし「いとしのエリー」の最中で機材トラブルが起きたらしく曲が繋げられない事態に。小西さんは困惑しながらもその状態でサザンのエピソードを語った。「僕は青山学院大学の音楽サークル“べターデイズ”出身でして…その後輩枠で僕が呼ばれたと思うんですけど」と小西さんが言うと会場からはどよめきが起こる。ベターデイズとは何を隠そうサザンオールスターズの原型を生んだ青学の音楽サークルである。「僕が大学に入った年に丁度サザンが『勝手にシンドバッド』でデビューして一躍人気者になって、学校で会ったりはなかった」「でも新入生歓迎コンパの時に桑田さんがいらっしゃって一言だけ喋って記憶がある」と嬉しそうに当時のことを語っていた。その間に機材も直ったらしく「いとしのエリー」の合間に「酒と泪と男と女」「LOVE IS OVER」「恋におちて〜Fall in love〜」と言った懐かしい昭和の名曲を織り交ぜながら会場を盛り上げた。


坂本美雨

坂本龍一さんと矢野顕子さんを両親に持つ坂本美雨さんの歌声をまさか生で聴ける日が来るなんて。「個人的に思い入れのある曲です。原さんの優しくて温かい包容力に憧れています」と前置きをして披露されたのは原由子のソロアルバム『MOTHER』に収録されている「花咲く旅路」であった。ここに来て初めての原坊楽曲だった為。会場からも拍手が起こった。まず歌い出しから思わず息を呑んでしまう程の声の透明感。そして圧倒的な存在感。原曲に負けず劣らずの包容力に完全に聴き入ってしまった。



『勝手にサザンDAY〜みんなの熱い胸さわぎ2018〜』 のクライマックスはイベントの出演者を一気にステージを上げてのお祭り騒ぎだった。「勝手にシンドバッド」では出演者、オーディエンスを含めての大合唱。そして最後の最後はしっとりと「Ya Ya〜あの時代を忘れない〜」で幕を閉じた。今回のこのフリーライブではサザンが持つ力を改めて感じざるを得なかった。年代もジャンルも問わない様々なミュージシャンがサザンの曲を歌っていること、そのライブを老若男女、大勢の人々が受け止めていることはサザンオールスターズが40年間も愛され続けていることの証明なのだと思う。千原徹也さんのひょんな思いつきから始まったこの『勝手にサザンDAY〜みんなの熱い胸さわぎ2018〜』はサザンファンで作り上げたサザンオールスターズへの1つの恩返しと言っても良いのではないのだろうか。そして最後に千原徹也さんとこのイベントの実現に尽力した全ての皆様に。素晴らしいイベントを本当にありがとうございました(やまだ)
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