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こんにちは、山田です。
本稿は、僕個人の独断と偏見でその年のベストソングをセレクトして簡単なレビューと共に紹介する毎年恒例企画の「2021年編」となります。昨年から引き続きになりますが、今年も年を跨いでのアップとなってしまい大変申し訳ございません。また、例年までは選出したすべての楽曲にレビューを書いていたのですが、今年は上位5位のみにさせていただきました。その替わりという訳ではないのですが、今年は“番外編”と題しましてヒットチャートには入れなかったけど触れておきたい楽曲を紹介するコーナーを最後に設けてみました。あまりに形骸化が否めない本企画ですが「2022年編」こそは以前のボリュームに戻していきたいと思っておりますので宜しくお願い致します。(やまだ)

10位 みぎがわ / RICCA



9位 鋼の羽根 / RADWIMPS



8位 世界が終わるまで / snooty



7位 生活をとめて / 文藝天国



6位 老人と海 / ヨルシカ



5位 SYUUU / Base Ball Bear



結成20周年を迎えたBase Ball Bearが届ける青春の疾走感をそのまま体現したようなド直球の四つ打ちロックチューン「SYUUU」。2021年3月に両A面シングルとしてリリースされ、同年に発表されたアルバム『DIARY KEY』にも収録されている。タイトルの「SYUUU」は、にわか雨の“驟雨”から。驟雨のような激しさと、雨が上がったあとのような爽快感が身体を駆け抜けるこの瑞々しいバンドサウンドは、音楽的な実験を続けてきた彼らにしか鳴らせない。


4位 My Universe / Coldplay × BTS



2017年から続く本ブログ企画では、国内ミュージシャンに照準を絞って選出しているため、洋楽ないしK-POPを取り上げることは滅多にないのだが、ColdplayとBTSのコラボは今年の音楽シーンを語るうえで看過できない。コロナ禍で様々な分断が顕現した2021年。そのなかで世界的ロックバンドとアイドルがタッグを組み「My Universe」を届けたことは非常な意義深かったと思う。音楽は凡ゆる隔たりを物ともせず超えていくものだということを再認識した。


3位 僕の戦争 / 神聖かまってちゃん



神聖かまってちゃんが、TVアニメ「『進撃の巨人』The Final Season」のOPテーマ曲として書き下ろした本楽曲。因みに“指男”の曲ではないので気をつけていただきたい。この曲の歌詞についての子(Vo)がツイキャスで「(アニメに寄せた所もあるけれど)ほぼほぼ完全に神聖かまってちゃんの新曲として俺は歌詞を書きました」と語っていたが、“TV Size”ではなくフル尺で聴けばその言葉の真意に気づく。歌詞からサウンドまで神聖かまってちゃんの“旨味”が凝縮された新たなる代名詞。「るるちゃんの自殺配信」に続き、神聖かまってちゃん再評価のフェーズが完全に来てる。


2位 走り続けた日々 / ケツメイシ



メジャーデビュー20周年を迎えたケツメイシが「第101回全国高校ラグビー大会」のテーマソングとして書き下ろした1曲。テレビ朝日バドミントン中継イメージソングとして2018年に発表された「夢中」のようなクラップを誘う疾走感のあるメロディ、聴く者の背中を押すようなポジティブなリリック、RYOJI(Vo)の風が吹くようなソウルフルな歌声で、実にケツメイシらしい楽曲に仕上がっている。なお、本楽曲はバラエティ豊かな楽曲が並んだケツメイシのニューアルバム『ケツノポリス12』に収録されている。


1位 Soulコブラツイスト〜魂の悶絶 / 桑田佳祐



桑田佳祐にとって初のEP『ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し』のオープニングを華やかに飾る「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」は、間違いなく2021年のベストソングだ。ここ6年で着実に歌謡曲への傾倒を強めてきた桑田ソロ。本楽曲は、そのフェーズに於けるひとつの到達点のような、同時に桑田を形成してきた国内カルチャーの集大成のような“最強”の楽曲だと僕は思っている。とあるインタビューで桑田が「僕自身は空っぽな容れ物みたいなもの」と語っていた。「いやいや、何をおっしゃいますか」と言いたいところだが、敢えてその言葉を真に受けるなら、本楽曲は「桑田佳祐が空っぽの容れ物だからこそ生まれた曲」ではないだろうか。歌謡曲の礎を築いてきた偉大な先人達のオマージュでありながら、圧倒的に桑田佳祐オリジナルの令和歌謡曲が爆誕した。I can't get you out of my mind!


番外編 DOWN TOWN / Juice=Juice



アイドルグループ Juice=Juiceにとってメジャー通算14枚目のシングル『DOWN TOWN/がんばれないよ』に収録された1曲。言わずと知れたシュガー・ベイブの名曲「DOWN TOWN」のカバーである。これまでEPOや桑名晴子、近年だとウカスカジーがカバーするなど数多のミュージシャンに歌い継がれてきた同楽曲をJuice=Juiceが上質なガールポップ(古臭い言い方)として昇華してくれた。ミュージックビデオにおけるメンバーの衣装は、竹内まりやのジャケット写真のオマージュにも見える点など、シティポップへのリスペクトが詰まった名カバーに仕上がっている。